172 豪州インターネット事情
九月の中旬、突然Eメールにアクセス出来なくなった。以前から気になっていたがプロバイザーに何か異変が生じたのである。しかしインターネットエクスプローラーの方は正常に働いているのでウエブページを閲覧するには何の支障もなかった。
この電話会社兼インターネットプロバイザーはSoulと言う。以前はDigiplusと言ったが数年前よりこの名前で請求書が来るようになった。オーストラリアではビジネスの売り買いが頻繁で名前の変更もさほど珍しいことではない。請求書と共に来るニュースレターでは小規模のインターネットプロバイザーを買収して大きくなっている様子が伝えられていた。中堅の会社となって、より安定したインターネットサービスをしてくれることは利用者にとっても非常に有難いことである。私はここをプロバイザーにして5年になるが何のトラブルもなかったので知人、友人にも薦めた。ところが昨年頃から知り合いがこの会社に連絡してもなかなか電話が通じない、出ても一時間近く待たされたと苦情を言い始めたのである。私も試してみたが彼の言うとおりで、以来人に薦めることを止めた。
オーストラリアでは電話会社のマナーは最悪、最低である。私は過去ブログ(105~108)でも書いたが政府資本半分の会社がワザと顧客に割り増し請求をし、不正に利益を得ている、顧客がそれに気が付き苦情を言って来るまで続けるのである。度々テレビ番組で大々的に報道されても繰り返しやるのだから救いようがない。これが大手の会社となるほど頻繁で信用出来ない。その為に専門の政府系オムバッズマンが存在し、仲介しているのである。
ところでEメールが突然不通となったので、新しいプロバイザーを探すことにした。大手以外で中堅数社のホームページにアクセスをし、プランの内容を見てどの会社が適当かを決めることにした。
10年前は転送速度が65Kbpsのダイヤルアップしかなかった。その後ADSLが普及、同時に電話も使えるようになって最高速度も265Kbps(実際は200Kbps前後)となり前よりぐんと速くなった。電話線は細いので抵抗値も大きく高速通信には向かないと思っていたが、ADSLの新技術によって速度が向上、今では通常の契約でも最高速度が1.5Mbpsのスピードとなっている。以前のADSLスピードでは動画を観るにダウンロード中は静止画動となり連続して観ることが出来ず、最低でも500kbpsは必要だと思っていた。
3Gインターネットは速くて便利なのだが割高だし、場所によっては受信不能となる。オーストラリア政府は将来光ケーブルの設置を計画しているが、何時になるか分からず、当分電話線に頼らざるを得ない現状である。
マーケット内に10年以上も同一プロバイザーを使っている人がいて、今までに何のトラブルもなかったとの事、で、この会社にアプライしてみることにした。10年前、インターネットの設定方法を知るためにほんの短い期間だったが加入した記憶のあるPRIMUSという中堅の電話およびインターネットプロバイザーである。
いろんなプランがあって、ダウンロードの回線速度が最低速256kbpsから最高速 1.5Mbpsまでと変わりはないのだが、月々のダウンロード量に応じて1ギガ(29.95ドル)、6ギガ(39.95ドル)、12ギガ(59.95ドル)、20ギガ(69.95ドル)がある。但し、これは電話回線のレンタル料(29.95ドル)をこの会社に移行契約しての価格で、もし回線レンタル契約が他社ならば毎月10ドル高い支払いとなり、同時契約をさせることで自社への取り込みを図っている。
私はとりあえず1ギガの使用量を選び、インターネットの書き込み欄にすべてを記入してOKをクリックした。その二日後に当社から再確認の電話が掛かり、この時点でお互いの契約が成立することになる。電話回線のレンタル契約は一年、インターネットは二年でこの期間中は他社への移転は出来ない。しかし使用量のアップグレードは自由となっている。この電話で知ったが、以前のSoulという会社は倒産寸前の状態とのことであった。小規模インターネット会社を多数買収したが、コントロールが利かなくなってしまったのだろうか?
その一週間後に契約詳細の手紙、それにはアドレスとパスワード、そして数日後、新しいモデムが送られてきた。いよいよ新プロバイザーでのインターネット開始である。
以前使っていたモデムはADSL2のスピードにも対応していてアドレスとパスワードを入力するとすぐインターネットにつながった。10年前の通常ダイヤルアップ接続では詳細に設定しなければならず、ある程度のテクニックが必要だった。5年前ADSLに変えた時、設定が随分簡単になったと思っていたが、今回はさらに易しくなったのである。
ところで新しく送られてきたADSL2のモデムだが、さらに一回り小型化されている。USBに接続してアクセスしたいので、付属のCDからインストールを試みるのだが、常にエラーメッセージが出てなかなかセットアップすることが出来ない。これが自宅にある3台のパソコンが同様にインストール出来ないことからCDに欠陥のあることが分かった。(後日、ドライバーのインストールなしでもUSBからアクセス出来ることが分かった。しかし回線速度が非常に遅い、やはりUSBドライバーのインストールが必要である)
早速電話を入れた。電話はすぐにテクニカルサポートに繋がり、以前のプロバイザーとのサービスの違いがはっきりした。CDからUSBがインストール出来ないことを告げるとモデムメーカーのウエブサイトからドライバーをダウンロードするよう薦められた。「そんなことは誰でも知っている。私はオリジナルのCDが欲しいのだ、送って欲しい」と言った。どうもCDに欠陥のあることを知って販売しているようである。やっぱりこの会社も同様、オーストラリア独特の無責任体質から抜け出せないようである。
イーサーネット端子からのケーブル接続でこのモデムはUSBドライバーをダウンロードすることなくアクセス出来るようにはなった。でも両方使えるようにしておく必要がある。正常なCDは何時送られてくるか分からないのでドライバーをダウンロードすることにした。
このモデムはThomsonのスピードタッチST536v6と言う機種である。この会社のウエブサイトにアクセスし、モデルの機種まで辿り着いたのだが、どこを探してもドライバー、ダウンロードの項目が見当たらない。仕方がないので、以前よく使っていたdriverguid.comを開いてみたら、現在会員制となって手続きが必要であった。記入欄に書き込んでいくと、どの国かの欄がなくて、アメリカのどの州かの質問しかない。要するにアメリカ在住しか会員登録出来ないようでギブアップせざるを得なかった。他のドライバーウエブサイトもトリッキー(策略、誘導的)で数年前のように、何もかも無料でしかも簡単にドライバーをダウンロードすることが難しくなった。
一週間インターネットにアクセスしてその調子を見た。ダウンロードの最高スピードは1.5Mbpsだが実際の速度は1.1から1.2Mbpsである。以前のADSLでは常に200Kbps前後だったからそれから比べれば格段の速さで、動画を再生してみたが何のトラブルもなかった。ところで私は毎日ブログを読んでいるのだがダウンロードの出来ないサイト、又は日時、時間帯のあることに気が付いた。特に写真のダウンロードに問題があって、その表示と説明が途中で止まってしまうのである。以前速度の遅いADSLでは考えられなかった現象で、3台のパソコンにそれぞれ新しいモデムを接続し、試してみたが皆同じ結果となった。だからこちら側の問題ではない。
早速プロバイザーに電話すると、のらりくらりとした回答で要領を得ない。何か裏がありそうな気がしてきた。キャンセル専門の係員を呼び出し、理由を伝え契約の解消を迫ってみた。そうすると「以前のプロバイザーに戻るのなら違約金は要らないが他社への移転にはキャンセル料として500ドル支払って貰う」と言う。「ダウンロードの状態が完全でなくてもか?」「そのとおり、ダウンロードが100%でなくてもインターネットにアクセス出来ているから」と答えた。
潰れかけの会社、以前のプロバイザーに戻る気もしない、だからと言って、キャンセル料を払ってまで他社へ移る気にもならない、他社へ移っても同じ問題が起きる可能性があるのだ。
今回の電話でのやり取りでプロバイザーのテクニカルサポートには二種類あることが分かった。レベル1とレベル2である。レベル1は一般向けインターネット接続サービス初歩クラスらしく、それ以上の技術サポートとなるとレベル2となるそうである。
彼からの提案でMozilla のFire Foxをダウンロードし、使ってみることを薦められた。MSインターネットエクスプローラーの代わりである。確かにウエブサイトのダウンロードは速く完璧に行われるのだが、どうも気にいらない表示画面である、まるでウイルスが入り込んだような構成、すぐ嫌になりアンインストールした。使うソフトによってダウンロードの状況が左右されると言うことは、今使っているMSインターネットエクスプローラーに何らかの問題がありそうである。現在マイクロソフト社からI,E,7のアップグレード版がダウンロード出来るので早速確かめてみる必要がある。
最新版SP3、ウインドウズXPプロ日本語OEM(フロッピーディスクドライバー付)が安く販売されているので買う予定である。ところでこのウインドウズXPは来年一月いっぱいで製造中止となるそうである。XPの後継としてVISTAが出て間もないのに、さらに来年には新ウインドウズ7が発売されると言う。なんと利益追求に忙しいマイクロソフト社である。 新しいOSが出る度にそれに適応した高性能で電力消費の大きいパソコンが発売される。地球環境を考える上で考慮すべきことである。私は今もPentium3、866Mhzのパソコンを使っている。インターネットならこれで十分、なんの支障もない、電気代も安くてすむ。DVDの再生、コピーや録画はテレビ周辺機器に任せ、パソコンはパソコンしか出来ないことのみに使用すべきである。
Intel iMacパソコンの売れ行きが好調だと聞いている。(高値商品で3,000豪ドル)あちこちの電気店でも置くようになった。ブラウン管形式でCPUと一体となった古いモデルは使ってみる気にもならなかったが、昨今は大型のLCDスクリーンとなりCPUと一体となって、デザインが一新され惚れ惚れとする製品となっている。
オペレーションシステムもわざわざ日本語版を購入しインストールする必要がない、世界の言語ソフトがすべて入っているのである。ウインドウズXPの英語版では日本語も使えるが、時々字化けしてどうしても日本語版が必要であった。
iMacは今のところ普及率が低い、ユーザーがウイルスを作り、悪戯で発信する機会も少ない、したがってその対策の必要性もないとのことである。但し、故障となると一般のパソコン修理屋では難しく、iMacのサービス専門店へ持って行く必要がある。トラブルは手間と時間のかかる最悪の状況となりそうである。
すでに運用されていると言う、クラウド(雲)コンピューティングシステムではCPUもソフトも要らない。さてこのシステムが本当に世界中へ普及していくのだろうか?


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