171 ゴールドコーストの気候
写真は7月26日付けゴールドコーストブルティン紙からの転載である。ゴールドコーストの公園で予定されていた、ギリシャ人祭が25日の大雨で中止となり、準備に六ヶ月掛けたにも拘らず最悪の天候のためキャンセルとなった。二万人の参加者を予定し、子ダコ1.3トン、ほうれん草パイ4000個、ミートボール60キロ、数千人分のお菓子類すべてが無駄となってしまった。との記事である。それらを保存する冷凍庫の確保、しかし冷凍すれば、味の保障はない。お菓子類、ケーキ等は後日教会で販売するとのことだ。それにしてもギリシャ人はこれほど子ダコが好きだとは知らなかった。
ゴールドコーストでは昨年暮れから天候が不安定で雨の日が多く、水がめであるヒンズダムの水量は常に満杯状態で大雨になると溢れ出していた。ダム堤防の嵩上げ工事も進行中だが、これも何時完成するか分からない。一昨年の雨不足、水不足が嘘のようだが、それにも拘らず、市内では下水を飲料水に変える一大プロジェクトの工事中で、何が何でも当局は下水処理水を市民に飲ませたいようである。
イギリスやアメリカの一部の都市で下水の処理水を飲料用として使っているらしいが、訳の分からない病気がその地区で発生したとのニュースもあって、市民は心配をしている。でも当局が決めたことだからどうすることも出来ない。ゴールドコーストはオーストラリア唯一の大リゾート地なのである。下水を飲料水に使っていると知ったら、はたして観光客は今迄どおりやって来るだろうか、大きな疑問である。
市当局はすでにゴールドコーストのすべてのゴルフ場に対して下水処理水を芝生の水やりとして使うことを条例化している。私もゴルフをするが、散水している最中、スプリングクラーの近くを通ると何となく臭うような気がしてならない、そして身体には絶対かからないようにしている。飲料水はもっと完全な方法で処理をしているとは思うが、元は下水に変わりはなく、処理施設職員の仕事ぶりにも、はっきり言って信頼出来ないのである。
中東の砂漠地帯では海水を汲み上げ大型プラントで真水に変え使っている。日本で開発された特殊フィルターを使い、濾す速度を上げる為にポンプで圧力をかける必要があり、そのエネルギー源がいるである。たいてい水不足の地域は晴天に恵まれ太陽光発電でその電力を賄えそうである。ところが太陽光パネルは寒い地方ではすでに耐久力テストの実証済みだが、暑い地区では未だだそうである。今後の研究結果と新素材の開発が期待されている。
数年前、私はゴールドコースト歯科医で前歯の治療をした。半分に欠けてしまったので根元だけを残し、そこにプラスチック製の練り物を詰め込み、歯型を整型していくやり方である。昔は他所で成型した歯を根元に接着剤でくっ付ける方法で、私の前歯二本がそのやり方である。歯医者は貴重な材料の練り物で出来ていて高額だが、生涯に渡り保障すると言った。40年前、その一本が6万円だった。彼の言ったように、今もその歯は健在である。
ところで柔らかいガムのような詰め物をした後、先の尖った数種類の工具を使って、前歯の整形を始めた。そしてみるみるうちに元の歯そっくりの形を作りあげた。オーストラリア人は大雑把で不器用だと一般的に思われている。でも医者も技工士も看護師も30才前後の若さだが最新技術をマスターしてきたようで、みごとな仕事ぶりだった。ところで歯はまだ柔らかいままで、この後どのような処置をするのかと思っていたら、先端が紫色の光を出す工具を持ち出し、整形歯に照射を始めた。紫外線の照射である。すると歯は見る見るうちに硬くなっていった。この材料や装置も日本製に間違いはないだろう。
この国ではプラスチック製品の破損、破壊が目立つ、太陽に長時間当てると亀裂が入りぼろぼろとなってしまう、プラスチックは水には強いが、光線には非常に弱い。歯を硬くさせる場合も適当な時間だから良いが、それ以上照射すると材料を破壊させてしまう、それは紫外線が原因なのである。
私はお客さんからスピーカーコーンの修理、テープデッキのベルト取替えをよく頼まれる。スピーカーの場合、コーン外周のスポンジ製エッジ部分はボロボロに壊れ粉末化してしまう。テープデッキの合成ベルトは液化し、コールタールや塗料のようになってしまう。しかし天然ゴムで出来た製品は強いのである。その理由を不思議に思っていた。
以前、日本製の合成皮靴を久しぶり帰国時に履いた。ほぼ新品の状態で10年近くクロゼットに入れたままだった。飛行機の中では何も起きなかったが、空港に着いて重い荷物を運ぼうとした時、急につま先部分がめくれた。接着が剥がれ歩くとパカパカ音がした。急いで紐で括ったが、踵にも異変が生じてきた。かろうじてその靴で目的地までは辿り付けたが、安物の靴を買わねばならなくなった。
日光の射さない場所でも長期間置いておくと、このように材質の変化が起きる。これも紫外線の影響かどうかは定かではない。ところで南極大陸のオゾン層の破壊、後退しているのか進展しているのか、マスコミは一向に報道しなくなった。これこそ不気味である。
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